初日のランチで『あれ?』と思う。でも、『まあ仕方がないかな…ちょっと練習不足』と思い直す。翌日のチキリは最低だった。さすがに、「まずい!」と言ってしまった。東京に帰っても心の中で『気に入らない』何かがある。私は食事がまずかったことが気に入らないのではなかった。あの味がタカをくくった味だったからだ。野菜の切り方、油の量…見ていたわけではないのに、できあがった料理から全てが見える。食べてくれる人達を完全にないがしろにしていた。タカをくくった味は作り手のタカをくくった姿勢そのものであり、命をないがしろにする心につながっているからだ。そう解明したら、心の中から『気に入らない』気持ちが消えていった。
出典:「五つの天使が微笑んで vol.2[満月のチャンティング篇]」p186
担当:ゆかり