昔は世の中全般「腹筋信仰」が強かったので、シャンティパットも、腹筋をガンガン鍛えている無知な時代がありました。
片足のスクワットをやったり、スクワットも300回くらいやったりという時代もありました。
私がCS(化学物質過敏症)を発症したお陰で、海外に出かけることができなくなったのと当時に、海外に出かけるようなストレスがなくなって日本にいることになったので、その時間を使ってもっとまじめに勉強しようと思ったのが2008年ですね。ちょうど10年になります。
その時にいろんなジャンルの先生方と、出会わせて頂くことができました。本当に天の采配だと思います。
一番印象に残っているのは東洋医学を究めた先生で、その方にいろいろ勉強会をして頂くなかで、自分のやっているヨーガについて徹底的にダメ出しをされました。
例えば、その頃は逆立ちもやっていましたが、逆立ちをやって頸椎を壊して何かいいことがあるの?
腹筋をガンガン鍛えて、背中丸めて猫背になってそんなに太い腕でいいことあるの? 肺がつぶれてるよって。
厳しい先生だったので、私の体形を見て徹底的にダメなことを本当に口悪く叱られました。
でもその意味は、ということを丁寧に教えてくださる先生だったので、お陰で本当によく勉強させて頂いたと思います。
叱られた10年前の私は、仰向けになっても肩の先端が床に付かない、腰椎三番がぴたっと重さをもって床を押せない、ハムストリングスの鍛えすぎで硬すぎて、膝のお皿の周りに余分な肉がついてるとか、今思えば本当にみっともない体だったと思います。
彼から習った通りの鍛錬を全ていわれた通りにやり続けた結果、体型が全く別人のように変化して本当に手応えを感じたので、自信を持ってクラスに導入してから7、8年になると思います。
そこから肺を鍛える、僧帽筋を鍛える、広背筋を鍛える、大腿四頭筋を鍛えるということをクラスの中でも皆さんとやるようになって、健康のレベルというのが本当に上がりましたね。全然違います。
やはり伸筋を鍛えることによって、体全体が伸びるんですね。
そして横隔膜の動きが自由になるということと、肺の全部の部屋にちゃんと空気が吸えるようになるということ、そして頭の重さが消せるようになること。
すべてが健康な肉体にとって、必要な条件を満たしてきているのだと思います。
まだまだ発展途上だと自分では感じていますけれど、10年前の自分と比べると整ってきたなぁと思います。
何より日常の中で具合が悪くなって寝込む、起きられないということが本当になくなりました。CS(化学物質過敏症)も完全に克服することができました。
それはもちろん、アーサナだけの問題ではありません。
ちょうどその間に、サッチャダルマさんからいろんな秘伝を手取り足取り教わった時期でもありました。
私は不詳の弟子で、昔教わったこともその有難みが全く理解できずにドブへ捨てていたようなもので、叱られて、それを拾い直し、磨き直してというような作業がありました。
この10年は、本当によく学びただひたすら学び、練習をし続けてきて、今やっといろんなことが全部つながって、本当に体って楽しいなぁと思います。
楽しさの深さが、ただただアーサナを頑張っていたころとは天と地ほどの差があるのです。
もちろん体というもののなかには、見えない四つの体(エネルギー体・精神体・幽体•至福体)を含みます。
心というのはどこの体にあるのか、感情というのはどの体にあるのか、肉体はどういう働きをしているのか、肉体に痛みはあるのかないのか。
そういうことが実感をもってわかってくることによって、人生は本当に悩みのないものになり、足りないものは何もない、欲しいものは何でも手に入ると感じています。
好きなことも嫌いなこともない、ただただひたすらやるべきことをやれば良いのです。
神様が「やりなさい」と言ったら「はいわかりました」と、何でも「はい」と言える自分になりつつあることが、最高の喜びですね。
何といっても、本当に日々、達成感があります。
「やりなさい」と言われたことに、「でも」とか「だって」「やっぱり」というのがなく「はいわかりました」というだけ。
「はい」と言った以上はやるしかないので、それをやっていくうちにすごいご褒美がどんどんやってきて、人生そのものを豊かにしてくれているんだなと感じます。
喜びとか、何ともいえない感動とか、自分の実力の範疇じゃないものを今頂いている気がします。
私のやっているトレーニングは全クラスで何も隠し事がなく、全て皆さんとシェアしてますから、後はみなさんもやる気と集中力だけの問題ですね。
ヨーガ教室主宰 紙や まさみ
2018年5月17日(木)夜のレッスンで