ひとりで死んでいく覚悟をつくるのも筋肉です

仰向けに寝た時は、「腰椎三番」がピタッと床を押していることがとても大事です。

腰回りの柔軟性は、丹田の力にも関係してきます。

坐った時には、腰椎三番のあたりに腕一本分のへこみができて、寝た時、立った時には真っ平らになることが理想的です。

その柔らかさによって、丹田の重さの玉が飛び跳ねようとするのを吸収し、ずっしりと安定させて、そこに置いてくれるのです。

これは自分で点検できることなので、寝る時にどうやったら腰椎三番を床につけることができるか意識してみましょう。

起きている時には、食事をする、仕事をするなど、椅子に坐ったまま腕一本を腰椎三番に入れてみて、へこませた状態がきちんとキープできているかどうか点検します。

その形にすることで、大臀筋の使い方が正しくなるということも大切なポイントです。

二十歳を過ぎれば、誰でも日々老化が進んでいるわけですから、正しい筋肉の使い方をすることが鍛錬になります。

けれども、鍛錬している時間はわずか数分で、正しくない使い方が一日の大半を占めているのでは、リカバーできません。

日常のなかで正しい筋肉の使い方をすることは、いつまでも元気で若々しくいるためにも大切なことですね。

それが心の若々しさにもつながると思います。

どうしても年齢とともに、面倒くさいことをやりたくない気持ちが増えてきます。

大変なことは避けて通りたい。

ややこしいことは自分には関係ないと、他人ごとにしてしまいたい気持ちが強くなります。

それを老化現象と呼びます。

それは筋肉の衰えと比例しています。

ですから、若々しく元気でいたければ、何があっても筋肉は落としてはいけません。

ビビットで素敵でいたければ、自分を支える筋肉は絶対的に必要不可欠です。

それが最終的には誰にも依存しないで、ひとりで死んでいく覚悟というものを、じわじわと自分の中につくっていく力となっていきます。

死ぬときは誰も道連れにできないんですから。

どんなに仲良しの家族がいても、パートナーがいたとしても。

自分自身が自分の足で立って自立しているからこそ、人間同士が支え合うところに豊かさと優しさが生まれます。

その基本はやはり筋肉です。

毎日の歩く姿勢から始まって、寝る時も、どんな時も、自分の体のあり方に意識を持っていられるといいと思います。

ヨーガ教室主宰 紙や まさみ
2018年3月15日(木)夜のレッスンで