修理から戻って来た椅子は、同じ椅子なのに全然違う椅子が来ました。作る人の思いが椅子から溢れ出ていて、座った時、ものすごく温かくてびっくりしたんです。これがメッタなんだなぁと。なんとか自分の椅子を100%の気持ちで気に入って欲しいという、職人の魂だと思いますけど、そういう思いで作って下さったんだなぁという事が、パッと見て、一瞬座って全部分かりました。形がきれいに出来上がったものでも、そこに祈りと愛が込められていなければ、ただのものだという事。でも同じものでも、そこに愛があり、そこに祈りがあり、エネルギーが込められている、メッタが入ったものは、全然違う存在になるんです。何をするにもどんなものを作るにも、誰と会うのでも、どういう時間も、こういうエネルギーで、こういう質の、こういう祈りの、こういう想いの溢れ出ている人として、自分が生きていけたらいいなぁって、椅子を受け取ってその日はそんなふうに思いました。とっても豊かな満たされた気持ちになりました。
出典:「五つの天使が微笑んでvol.4 ―毎日の言葉編―」p136
担当:ゆみこ